私はこれまで通販に4年ほど関わってきました。
未経験の状態から「STORES」でネットショップを作り、100万円以上を売った経験があります。
また、企業の依頼を受けて通販サイトを作り、商品開発や集客などのアドバイスをした経験もあります。
現在は、専門知識がなくても誰でも簡単にネットショップを開設できる時代です。制作会社に依頼をしなくても、一人で作ることができます。
この記事では、私の通販に関する経験や知識をもとに、初心者にもおすすめのネットショップ制作サービスを紹介します。
手数料や機能、使い勝手などの比較も行っているので、参考にしてください。
なお、どれがおすすめか早く結論を知りたい方のために、個人的なランキングを最初に掲載しておきます。
ネットショップの制作会社に依頼するときの相場
ネットショップの制作会社に依頼するときの相場は、簡単なショップで数十万円、本格的なショップになれば100万円から1000万円以上するケースもあります。
特にEC-CUBEは機能やデザインをカスタマイズしやすい代わりに、制作の費用が高いように感じます。
個人的には、まだ売れるかも分からない状態で、それだけの費用をかけるのはリスクが高いと思います。
そのため、資金が十分にあって初期投資ができる企業ではない場合、まずは自分でネットショップを制作することを検討してみてください。
これから紹介するBASE、STORES、カラーミーショップに関しては、専門的な知識がなくてもネットショップを作れるようになっています。
ネットショップの制作・運営に必要な手数料
ネットショップ制作サービスを選ぶときは、費用が安いことも条件の一つです。
通販サイトを制作して運営するにあたり、どのような費用が必要なのか、代表的なものをまとめました。
- 初期費用(1回限り)
初めてそのサービスを契約するときに発生する費用です。 - 月額利用料(毎月)
売り上げの金額に関わらず、通販サイトを運営している間は発生する費用です。 - 決済手数料(毎回)
1回の売り上げに対して発生する費用です。 - 振込手数料(毎回)
通販サイトの売り上げを銀行の口座に振り込むときに発生する費用です。 - 有料テンプレート(1回限り)
無料のテンプレートで気に入ったものがない場合、有料のテンプレートを買うときに発生する費用です。 - 有料オプション(1回限りまたは毎月)
特別な機能を追加するときに発生する費用です。
この中で特に注目すべきなのは、毎月、毎回費用が発生するものです。
具体的には、月額利用料、決済手数料、振込手数料、有料オプションがなるべく安いサービスを選ぶのがおすすめです。
ネットショップ制作サービスを選ぶポイント
私も最初はそうでしたが、初心者の場合はどこを見てネットショップ制作サービスを選べば良いか分からない人が多いと思います。
そこで、個人的にネットショップ制作サービスに求める機能やポイントを挙げました。
- 手数料が安いこと
サービスによって手数料は結構な違いがあります。手数料が高いと通販で利益を出せず、事業の継続が困難になります。 - ディスク容量が多いこと
商品は無制限に登録できるサービスが多いですが、一つの商品に対して登録できる画像の枚数やディスク容量は制限されています。 - 様々な決済方法を利用できること
決済方法はとても重要です。特にクレジットカード決済の利用率は高いため、利用できるサービスを必ず選びましょう。 - 独自ドメインを設定できること
必須ではありませんが、SEOやブランディングの観点から独自ドメインを設定した方が良いです。 - 常時SSLを設定できること
個人情報をやり取りする通販において、セキュリティを高める「常時SSL(サイト全体のURLをhttpsにすること)」は必須です。 - 送料を設定できること
送料は地域によって異なったり、一定金額以上の購入では無料にするのが一般的です。このように自由に送料を設定できるサービスを選びましょう。 - ブログを書けること
通販サイトは開設したら終わりではなく、集客しないと売り上げは増えません。集客をするには価値のあるブログ記事をたくさん書くことが効果的です。 - テンプレートが豊富なこと
作りたいショップのイメージに近いデザインのテンプレートが用意されているサービスを選びましょう。 - メルマガを配信できること
一度購入した人や会員登録した人にメルマガを送り、販促活動をできるサービスを選びましょう。
これから紹介するBASE、STORES、カラーミーショップに関しては、無料・有料の差はあっても上記の全ての条件を満たしているはずです。
実際に私はこの3つの全てでネットショップを作って運用した経験があり、この中から選べば失敗は少ないと思います。
BASE

- おしゃれで機能が豊富なテンプレートが多い!
- 500万人が利用するBASE独自のショッピングアプリがある。
- 初期費用 0円
- 月額利用料 0円
- 決済手数料 6.6%+40円
- 振込手数料 2万円未満は750円、2万円以上は250円
- 有料テンプレート 5千円~1万円くらい
- 有料オプション ロゴ非表示は月額500円
BASEはこれまでに80万店舗以上のショップが開設されている大人気のサービスです。
誰でも簡単にネットショップを作れる利便性に加え、費用が安いのに通販に必要な基本的機能は一通りそろっています。
通販サイトを作った経験がない人でも難しいことはなく、私の経験では30分くらいあれば自分のショップを表示できるようになります。後は商品を登録したり、追加の機能を導入したりと、少しずつ仕上げていけば良いです。
BASEの特徴は、無料のテンプレートの他に、デザインや機能にこだわった有料のテンプレートがあることです。
私がBASEでネットショップを作ったときは、5千円の有料テンプレートをまず最初に買いました。他のショップと差別化したいときは、有料テンプレートを利用してください。
また、BASEでは無料の「HTML編集App」によって、インストールしたテンプレートのデザインを変更したり、ショップに表示する項目を追加したりできます。私はお知らせなどを表示してデザインをカスタマイズしていました。
もう一つの特徴は、BASE独自のショッピングアプリがあることです。通販サイトを開設することはスタート地点に過ぎず、そこから売り上げを増やすことが一番大変です。
売り上げを増やすには通販サイトへの集客が必要になります。通常は検索エンジンやSNSなどを使って集客を行うわけですが、ショッピングアプリがあれば集客の方法が一つ増えることになります。
STORES

- とにかく安い!フリープランで良いなら最安で済む。
- 試しにネットショップを作りたい、安さ重視の方におすすめ。
- 初期費用 0円
- 月額利用料 フリープランは0円、スタンダードプランは1980円
- 決済手数料 フリープランは5%、スタンダードプランは3.6%
- 振込手数料 275円、1万円未満で振り込む場合は550円
- 有料テンプレート なし(全て無料テンプレート48種)
- 有料オプション なし
STORES(昔のSTORES.jp)は、BASEと同じようにネットショップを簡単に作れるサービスです。
ショップの作りやすさ、機能の豊富さはBASEと同じくらいで、専門的な知識がない未経験の状態でも問題なく通販サイトを開設できます。
STORESの特徴は、手数料が非常に安いことです。BASEと比較しても、決済手数料はSTORESの方が安いです。
稼げるか分からないけれど通販サイトがどんなものか試してみたい、小さなお店なのでお金はかけられないから手数料の安さを重視するといった場合におすすめです。
安いからといって機能が少ないわけではなく、驚くほどたくさんの機能を使えます。私がSTORESで自分のネットショップを作ったときは、フリープランでも結構な金額の売り上げを出すことができました。
悩むところは、スタンダードプラン(昔のプレミアムプラン)を契約するかどうかです。
スタンダードプランの個人的な魅力は、独自ドメインを設定できること、ロゴを非表示にできること、代引き決済ができることです。また、スタンダードプランだと決済手数料が安くなるので、売り上げ金額が多いショップは全体的なコストを下げられます。
個人や小規模なお店が試しに通販サイトを立ち上げる場合には、フリープランで十分だと思います。
売り上げが増えてきたり、本格的にネットショップをやろうと思ったら、途中からスタンダードプランを契約するのが良いでしょう。
スタンダードプランは月額1980円ですが、もう少し多く出せばカラーミーショップを利用できます。カラーミーショップの方が機能はずっと多いです。もしも最初からスタンダードプランを契約しようと思っているなら、カラーミーショップで通販サイトを作る方が良いと思います。
- STORES
(公式)
カラーミーショップ

- 機能が豊富で本格的な通販サイトを簡単に作れる!
- どのサービスを使うか迷ったらカラーミーショップがおすすめ。
- 初期費用 3000円
- 月額利用料 レギュラープランは3000円
- 決済手数料 利用する決済方法やプランによる。例えば、クレジットカード決済代行会社のイプシロンで「VISA」「MASTER」「DINERS」を使う場合、法人契約の通常プランで決済手数料は4~5%、月額最低手数料は2500円
- 振込手数料 0円
- 有料テンプレート 8千円~3万円くらい
- 有料オプション 独自ドメインの常時SSLは月額1000円
カラーミーショップは、本格的なネットショップを作れる人気のサービスです。
BASEやSTORESと比較すると、カラーミーショップでは月額利用料が発生します。その代わりに、他の2つではできない機能がたくさんあります。
例えば、カラーミーショップではフリーページを追加したり、メールアドレスを取得したり、商品ページにHTMLを書いたりできますが、これは他のサービスではできません。
また、カラーミーショップはサポート窓口がしっかりしており、メールや電話で相談ができます。
カラーミーショップは難しい印象を持っている人がいるかもしれませんが、私が1年以上も使っていた経験からすると、決してそんなことはありません。
好みのテンプレートを選び、商品を登録する流れは他のサービスと同じです。機能が豊富なので最初は戸惑うかもしれませんが、慣れてしまえば難しいことはありません。
BASEやSTORESでショップを作ると、将来的に機能が足りなくてやりたいことが実現できず、困るかもしれません。カラーミーショップであればそのように後悔する可能性は少ないため、どのネットショップ制作サービスを使うか迷ったときにおすすめです。
個人的に不満なのは、有料オプションの常時SSLは今の時代に必須なのだから、もっと安いか無料でも良いと思います。コスト面に納得できるのであればカラーミーショップが良いでしょう。
WooCommerce

- 初期費用、月額利用料が無料で使えるWordPressのプラグイン!
- 世界でも数多くのネットショップがWooCommerceを使っている。
- 初期費用 0円
- 月額利用料 0円
- 決済手数料 利用する決済サービスによる。クレジットカード決済が使えるStripeの場合は3.6%
- 有料テンプレート WordPressの有料テンプレートを使える
- 有料オプション WordPressの有料プラグインを使える
WooCommerceは、WordPressというブログ制作ツールのプラグイン(拡張機能)です。世界中のネットショップの内、約3割がWooCommerceで作られていると言われています。
WooCommerceはWordPressと同様に無料で利用できます。初期費用や月額利用料がかからず、決済手数料も利用するサービスによっては安いです。
ただし、WordPressを使うためには有料のレンタルサーバーやドメインを別途契約する必要があり、それを含めれば費用は発生します。既にレンタルサーバーを借りていて空きがある場合には、ドメイン代だけで通販サイトを始められます。
個人的には、WooCommerceの一番の魅力はブログとの連携だと思います。
通販サイトは作ったら終わりではなく、売り上げを増やすために集客が必要です。そこが一番難しいところであり、集客の一つの方法がブログです。
WordPressはブログを書くために最適なツールです。好きなデザインにカスタマイズすることもできますし、自由にページを増やすこともできます。
ブログで商品の魅力やショップのPRを行い、そこから商品ページへ誘導するという連携がWooCommerceなら簡単にできます。
ブログとショップが同じドメインになるので、SEO的にも有利です。
デメリットとしては、ショップをカスタマイズするために知識が必要なことです。テンプレートを適用してそのまま使うことはできても、自分好みにデザインや機能を変えることは難しいです。
ホームページ制作の知識がない、WordPressを使ったことがない、レンタルサーバーを借りたことがないといった場合、ショップを開設するまでに様々なことを勉強する必要があるため、WooCommerceはおすすめしません。
それなら、多少お金がかかってもBASEやカラーミーショップなどを使った方が良いと思います。
EC-CUBE

- 国内では知名度がある無料の通販サービス!
- オープンソースなので、理想のショップにカスタマイズしやすい。
- 初期費用 0円
- 月額利用料 0円
- 決済手数料 利用する決済サービスによる。
- 有料テンプレート 5万円~22万円くらい
- 有料オプション 有料プラグインあり
EC-CUBEは、無料で利用できるネットショップの制作システムです。オープンソースのシステムとしては、国内でNo.1のシェアを誇ります。
オープンソースとは、プログラムが全世界に公開されていることを意味しています。プログラムを誰でも自由に見られるので、それをもとに新たな機能を開発できます。
そのため、EC-CUBEは機能やデザインをカスタマイズしやすく、理想のショップを作りやすいという強みがあります。
プログラミングの知識がなくても、無料または有料のプラグインが豊富に用意されているので、お金さえ払えば簡単に機能を追加できます。
デメリットとしては、WooCommerceと同様に自分のサーバーにインストールして使うタイプなので、通販では重要なセキュリティ対策をやらなくてはいけません。
実際に、EC-CUBEではクレジットカード番号が流出する事件が発生しており、セキュリティ対策に関心がない場合はリスクが大きいです。
プログラミングやデザインの知識があって自分で簡単にショップを作れる人は、無料で利用できるEC-CUBEならコストを抑えられるのでおすすめです。
また、制作会社に依頼をして標準では用意されていない特別な機能を追加したり、他社の通販サイトとは大きく差別化したいときは、カスタマイズがしやすいEC-CUBEは便利でしょう。
しかし、EC-CUBEをインストールするためには基本的に月額利用料を払ってレンタルサーバーを借りる必要があること、セキュリティ対策を自分でやる必要があることなどから、通販の初心者はBASEやカラーミーショップを使った方が安心で戸惑いは少ないと思います。
Shopify

- 世界中の175ヵ国で使われるグローバルなショッピングサービス!
- 3200種類以上の豊富なアプリで必要な機能を追加できる。
- 初期費用 0円
- 月額利用料 ベーシックプランは29ドル
- 決済手数料 3.4%
- 有料テンプレート 140ドル~180ドル(無料は8種類)
- 有料オプション あり
これまで紹介してきたBASEやカラーミーショップは国内では圧倒的なシェアを誇る通販サービスですが、世界に目を向けてみればShopifyが人気です。
2004年の設立以降、世界中の175ヵ国で使われ、既に100万以上の数のショップが開設されています。
海外を中心に広く使われているサービスですが、2017年から日本にも進出が始まりました。管理画面が日本語に対応していることはもちろん、近年は公式ブログやSNS、YouTubeなどを使って日本語でのノウハウが提供されるようになっています。
公式ホームページからメールアドレスを入力するだけで無料ダウンロードできる「Shopify 公式ストア開設ガイドブック」が分かりやすく、ショップの開設方法や商品の登録方法など基本的な操作を一通り学べます。
ガイドブックを見ると分かりますが、ショップの開設や商品登録で特に難しいところはなく、カラーミーショップなどと同じように直感的に操作ができます。
Shopifyの魅力の一つは、日本から海外へ商品を販売する「越境(えっきょう)EC」のショップを作りやすいことです。
多言語や海外配送などに対応しており、ドルなどの海外通貨で商品を販売して日本円で銀行口座に入金することもできます(為替手数料あり)。
少子高齢化で国内の経済規模が縮小していくことを考えると、海外へ販路を拡大することは重要な選択肢の一つです。
また、独自ドメイン、HTMLとCSSの編集、常時SSL、配送料の詳細設定(都道府県単位、一定金額以上で無料)など様々な機能が用意されていることも魅力的です。
しかも、Shopifyには「アプリストア」があり、無料または有料で必要な機能を選んでショップに追加できます。
Shopifyのアプリストアは、一般の人がアプリを開発して提供できるプラットフォームになっていることもあり、アプリの数はなんと3200種類以上にもなります。
日本語のサポートがないアプリも多いようですが、これだけ機能が充実していることは素晴らしいです。
現状のShopifyは、残念ながら国内では情報が手に入りにくいです。海外への販売が中心となる越境ECのショップを作る場合にはShopifyでも良いと思いますが、それ以外はBASEやカラーミーショップなどを使うのがおすすめです。
まとめ
今回の記事では、私の知識や経験をもとに、ネットショップを作れるおすすめのサービスを紹介してきました。
どのサービスを使うかも重要ですが、そこに悩んでばかりで通販を始められないのはもったいないです。無料体験で試しに使ってみて、そこから契約するか判断すれば良いと思います。
個人的なアドバイスとしては、安さを重視するならBASEかSTORES、料金に問題がないなら機能が豊富なカラーミーショップがおすすめです。
この3つは、それ以外のサービスと比較して料金、機能、デザイン、難しさなどのバランスが良いと思います。
なお、記載している機能や料金などは変わる可能性があります。必ず公式ホームページで最新の情報をご確認ください。
また、掲載している画像は公式ホームページから引用しています。
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