簡単に通販サイトを作れる「BASE」はとても便利です。ショップの開設数は驚異の80万店舗に到達しており、非常に人気のネットショップ制作サービスになっています。
しかし、BASEを実際に使ってみると、細かい部分ではデメリットもあることに気がつきます。この記事では、個人的に感じた記載時点におけるBASEの使いにくい点を紹介します。また、BASEと同じく簡単に通販サイトを作れる「STORES」との比較も参考に掲載しています。
なお、BASEとSTORESの詳細については公式サイトをご確認ください。
サブドメインしか設定できない
BASEは無料で独自ドメインを設定できるところは素晴らしいと思います。ただし、設定できるドメインはサブドメインに限定されます。
上の図のように「shop」や「www」といったサブドメインのみ設定できます。個人的にはシンプルな一番上のドメイン(ルートドメイン)が好きですが、BASEでは設定できません。
STORESでは有料のスタンダードプランを契約すると一部のルートドメインを設定できます。
英語対応が中途半端
なんとBASEでは無料で英語表記と外貨に通販サイトを対応できます。対応している言語は英語のみですが、言語の切り替えスイッチが表示されて購入者が日本語表記か英語表記に変えられます。
ただし、共通の項目名や説明などは自動的に英語に変わりますが、商品のタイトルや説明などは日本語のままです。その部分は自動的に翻訳されて英語にならないので、日本語と英語の両方の顧客に販売する場合、商品登録では両方の言語を併記するか、ショップ自体を分ける必要があると思われます。※何かやり方があれば教えてください。
STORESでは言語の切り替えスイッチが表示されないので日本語か英語のどちらか一方のみ対応できます。商品のタイトルや説明文などが自動的に英語にならない点は同じです。
年齢制限を導入すると検索結果に表示されない
私がBASEで通販サイトを作ったときに特に困ったことは、年齢制限の導入です。
BASEではアダルト商品など登録が禁止されているものもありますが、お酒やタバコなどは「年齢制限App」をインストールして年齢確認をすれば販売が可能になります。
非常に簡単に18歳または20歳の年齢制限を導入できるので、その点は便利です。
しかし、年齢制限Appをインストールすると、年齢制限が不要な商品が混在していても、一度認証が済むまでは通販サイトの全てのページで年齢確認ページに切り替わります。
一番の問題点は、検索エンジンのクローラも商品ページなどにアクセスできないため、検索結果に表示されないことです。2018年からは年齢制限を導入していてもBASEのショッピングアプリに表示されるようになりましたが、それ以前は表示されませんでした。
年齢制限を導入すると検索エンジンからもショッピングアプリからも集客ができなくなるということで、BASEを使うことを断念した経験があります。
STORESも同じです。ちなみに、STORESの場合は独自のショッピングアプリはありません。
テスト購入できない
これも実際に困ったことですが、BASEにはテスト購入の機能がありません。
通販サイトを立ち上げたら、一度はテスト購入をしてみるのが通常の流れだと思います。正常に購入が完了すること、そして購入するとどのような画面が表示されて、どのようなメールが送られるのかといったことは、ショップの管理者として知らないわけにはいきません。
しかし、BASEではテスト購入ができないため、通常と同じように商品を購入することになります。BASEでは0円の商品を登録できず、最低価格は50円です。テストで決済まで行えば、決済手数料やサービス手数料などが発生します。
STORESもテスト購入の機能はありませんが、価格が0円の商品を登録できるので、手数料なしで購入することは可能です。
代引き決済がない
BASEにはクレジットカード決済や銀行振込、コンビニ決済や後払い決済など様々な決済方法が最初から用意されています。ただし、代引き決済は利用できません。私の経験では、クレジットカード決済が一番多く選ばれていましたが、代引き決済もちらほら選ばれており、代引き決済の需要はまだあると思います。
STORESでは有料のスタンダードプランを契約すると代引き決済を利用できます。
メールアドレスを取得できない
BASEではメールアドレスを取得できません。
注文があったときやお問い合わせがあったときは、メールを使って顧客とやり取りをするのが一般的です。特に通販サイトを立ち上げたばかりで注文が少ないうちは、注文ごとに丁寧な感謝をメールで伝えることにより、ファンになってもらえる可能性が高まります。
メールアドレスを取得できないので、GmailやYahooメールといったフリーメールを使う方法があります。しかし、フリーメールはどちらかと言えば信頼感がなく、迷惑メールに分類されてしまう可能性もあります。
または、別途メールサーバーを借りて、通販サイトと同じ独自ドメインのメールアドレスを取得する方法があります。私がBASEで通販サイトを運営していたときは、利用料が非常に安い「さくらのレンタルサーバ」でメールサーバーを借りて、メールアドレスを取得していました。
STORESも同じです。
ページを増やせない
BASEでは会社概要や特商法のように決められたページの他に、自由にページを作ることができません。例えば、商品のランディングページを作ったり、季節ごとの特集ページを作ったりといったことはできません。
方法としては少し強引ですが、ブログ機能を使ってページを作り、そのリンクを張るということは可能だと思います。
STORESも同じです。STORESの場合はブログの代わりにニュース機能があります。
商品の説明文にHTMLを書けない
BASEでは商品の説明文にHTMLを書くことができず、テキストの文章しか書けません。
例えば、商品の説明として途中に写真を挿入したり、関連するページへのリンクを張ったりといったことはできません。※CSSでテキストをリンクの見た目に変えて、javascriptでページを遷移させるショップは見たことがあります。
STORESも同じです。
自動送信メールの内容を変更できない
BASEでは、注文確定時、入金確認時、商品発送時などに購入者に自動でメールが送信されるます。それは便利なのですが、メールの内容を自由に変更することはできません。
STORESも同じです。
ギフト設定ができない
通販サイトでは購入した商品をギフトとして誰かにプレゼントしたいという需要が多くあります。ギフトとして送るには、ラッピングをしたり、熨斗(のし)をつけたりといったことが必要になるかもしれません。
しかし、BASEではこのようなギフト対応を利用するか購入者が選択できず、「ラッピングをする場合は追加で300円」といった料金設定をすることもできません。
STORESではギフトラッピングや領収書同封を利用するか購入者が選択できます。また、ギフトラッピングの追加料金を設定できます。
電話によるサポート窓口がない
通販サイトを制作・運営していた何か分からないことがあったときは、お問い合わせフォームまたはチャットで質問できます。ただし、電話によるサポート窓口はありません。
STORESも同じです。STORESはお問い合わせフォームのみで質問できます。
まとめ
今回の記事では、BASEの使いにくい点を紹介してきました。そうは言っても、BASEで必要な有料オプションはロゴ非表示とテンプレートくらいなので、これらが不要な人は初期費用がゼロ円でも通販サイトを作れることは画期的です。
BASEではやりたいことが実現できないときは、私が1年以上使っていた「カラーミーショップ」がおすすめです。
カラーミーショップは機能が豊富なので、本格的な通販サイトを作る手段に最適です。月額費用が発生する代わりに、ここで紹介したデメリットのほとんどを解決できます。
- サブドメイン以外(ルートドメイン)を設定できる。
- 商品ごとに年齢確認ページをつけられる。また、決済画面で年齢の入力を必須にしたり、年齢確認ページのデザインを変えたりすることもできる。
- テスト購入できる。
- 代引き決済がある。
- 独自ドメインのメールアドレスを取得できる。
- フリーページを作成できる。
- 商品の説明文にHTMLを書ける。リンクを張ったり、写真を挿入したりできる。
- 自動送信メールの内容を変更できる。
- ギフト設定できる。
- メールまたは電話でのサポート窓口がある。
「お金はかけらない」、「試しに通販サイトを作ってみたい」といった方は「BASE」を選ぶのがおすすめです。一方で、「多少お金がかかっても本格的な通販サイトを作りたい」、「BASEで始めてから機能が足りなくて結局カラーミーショップにする手間を省きたい」といった方は、最初から「カラーミーショップ」を選ぶのが良いでしょう。
なお、通販サイトを作れるおすすめのサービスは、以下の記事で詳しく紹介しています。
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