本格的な通販サイトを作るうえで「カラーミーショップ」はとても便利です。しかし、カラーミーショップを実際に使ってみると、細かい部分ではデメリットもあることに気がつきます。
この記事では、個人的に感じたカラーミーショップの使いにくい点を紹介しています。
なお、カラーミーショップの詳細については公式サイトをご確認ください。
手数料が高い
カラーミーショップで通販サイトを運用すると結構な費用がかかります。例えば、レギュラープランを選ぶと記載時点では以下のような手数料が発生します。
- 初期手数料 3000円
- 月額手数料 3000円
- クレジットカード決済の月額費用(イプシロン) 最低2500円
- 有料オプションの月額費用 独自ドメインの常時SSLは1000円
- 有料テンプレート 8334円~28704円ほど
現在の通販サイトにおいて、クレジットカード決済がないことは考えられません。また、SSL化をしないとブラウザで警告が出て買い物ができないため、有料オプションの常時SSLも必須です。
つまり、月額手数料(3000円)+クレジットカード決済(2500円)+常時SSL(1000円)=6500円の費用は最低でも毎月発生することになります。
ネットショップ制作サービスは、カラーミーショップ以外にも「BASE」や「STORES」などがあり、これらは月額手数料が無料です。私はこの2つでもショップを作って運用した経験がありますが、簡単にサイトを作れて便利です。
それを考えると、カラーミーショップの毎月6500円の費用は少し高く感じてしまいます。
ディスク容量が少ない
エコノミープランとスモールプランではディスク容量が200MBしかありません。一番人気のレギュラープランでも5GBです。
そのため、商品やフリーページの数が多いショップでは、画像の圧縮などをしないとディスク容量がいっぱいになる可能性があります。
ラージプランにすればディスク容量は100GBまで増えますが、月額費用は最大になるため、利益の少ない小さいショップでは難しいです。
複数のカテゴリーを登録できない
一つの商品が複数のカテゴリーにまたがることは珍しくはないと思います。
例えば、リンゴジュースであれば、「ジュース」と「フルーツ」のカテゴリーに属すると考えることもできます。しかし、カラーミーショップでは一つの商品には一つのカテゴリーしか設定できません。
そのため、もしも「ジュース」と「フルーツ」の両方のカテゴリーで商品を表示したいときは、全く同じ商品でカテゴリーだけ異なるものを2つ登録する必要があります。
同じ商品が複数あれば、商品情報を修正するときに毎回全てのページを変える必要があり、管理が面倒になります。
カテゴリーと似たものとして「グループ」という機能があり、こちらは一つの商品に複数設定することができます。
ただし、テンプレートのサイドバーなどにカテゴリー一覧が既に表示されている場合は、そこをグループに変更するようにプログラムの修正をする必要があります。
ショップと同じドメインにブログを書けない
ネットショップは集客が非常に重要です。SNSだけで集客することは難しく、ブログを書いて検索エンジン経由のアクセスを集めて、購入へつなげることが大切です。
しかし、カラーミーショップではドメイン配下のディレクトリに外部からアクセスできない仕様で、ショップの中にブログ機能を埋め込むことができません。厳密には「ラージプラン」や「プラチナプラン」を契約している場合のみ個別に相談が可能となっています。
「ショップブログプラス」という有料オプションに申し込むと、「JUGEMプラス」というブログサービスを利用できますが、ショップのサブドメインか別ドメインになります。
ドメインが異なればブログ内からショップへのリンクをクリックしてもらうためのハードルがありますし、ブログを書いてもショップのドメインパワーは直接的には上がらないのでSEOの観点でも最適ではありません。
そもそも、別ドメインになるなら必ずしもショップブログプラスを使う必要はなく、アメブロやWordPressといった使いやすいサービスが他にも存在します。
また、記載時点ではJUGEMプラスは常時SSLに対応していません。ブログを単体で使うならまだしも、通販サイトへの集客のためにブログを使うことを考えると、暗号化されていないと警告が出るようなブログは悪い印象を与えます。
一方で、WordPressの中に「カートに入れるボタン」を設置したり、公式の「カラーミーショップWordPressプラグイン」を使って商品情報を掲載するといったことは可能です。
カラーミーショップのドメインにブログを書きたいときは、「フリーページ」を使う方法があります。
フリーページはその名の通り、自由にページを作れる機能です。レギュラープランであれば10000ページのフリーページを作成できるので、ブログのように文章や写真などを掲載できます。
ただし、フリーページへのリンクをサイドバーなどに設置しないとショップ内からブログを読んでもらえないので、そのためのコーディングの知識が求められます。また、通常のブログのようにカテゴリーなども設定できないので、使いやすいとは言えません。
バックアップ機能がない
カラーミーショップでは丸ごとバックアップする機能がなく、商品情報や顧客情報などを手動で一つずつダウンロードするしかありません。
301リダイレクトができない
ドメインを移転するときは、301リダイレクトが推奨されています。
301リダイレクトを行えば古いURLにアクセスすると自動的に新しいURLに飛ばされるので、サイトの訪問者に負担を与えません。また、SEOの観点でも良いとされています。
しかし、カラーミーショップでは301リダイレクトに必要な「.htaccessファイル」を設置できないため、301リダイレクトができません。
そのため、例えば独自ドメインではなくカラーミーショップのサブドメインを使用しているショップを他社のサービスに移転するときは、マイナスが大きくなります。
セット商品の軽減税率の対応ができない
消費税が上がり、ネットショップにおいても軽減税率の対応が必要になりました。カラーミーショップでは商品ごとに軽減税率に対応するかどうかの設定ができます。
食品におまけのおもちゃが付いているような場合は「一体資産」に該当して軽減税率の対象になります。しかし、単体でも販売しているお酒とおつまみをセットで販売するような場合は一体資産として認められない可能性があり、セット商品の中に複数の税率のものが混在することになります。
カラーミーショップでは商品ごとにしか軽減税率の設定ができないので、このように複数の税率が混在するセット商品でも、どちらか一方の税率しか選べません。
メタキーワードの設定が残っている
GoogleやYahooでは「メタキーワード」というタグがあります。以前はメタキーワードに狙っている検索ワードを入れることでSEO的に良いとされる時代もありました。
その後、キーワードを詰め込むスパムのような手法が広まり、現在は全く効果がないことが発表されています。そのため、国内の検索エンジンにおいて大部分のシェアを占めるGoogleやYahooでは、メタキーワードを記述する意味はありません。
しかし、カラーミーショップで商品を登録するページでは、SEO対策の項目としてメタキーワードの入力欄が残されています。
SEOの知識が詳しくない人がショップを作成すると、頑張ってメタキーワードを入力する作業は無駄になりますし、「SEO対策=メタキーワードを入力すること」だと勘違いしてその他のSEO対策をしないといった危険性もあります。
一部のマイナーな検索エンジンがメタキーワードを見ていることを期待したり、そのページが何の検索ワードを狙っているかショップの制作者がメモ的に使うといったこともできますが、個人的にはメタキーワードを書く時間を別のことに使った方が良いと思います。
独自の集客機能がない
カラーミーショップ独自の集客機能がないと思われます。
例えば、同じネットショップ制作サービスである「STORES」にはタグ機能があり、SNSと同じようにタグでショップや商品を検索できます。興味のあるタグをたどって、たまたまショップに訪れてくれる可能性もあります。
カラーミーショップでは昔は「カラメル」というショッピングモールがありましたが、現在は新規出店を受け付けていません。そのため、検索エンジンやSNSを利用しながら自分で集客を行う必要があります。
多言語対応が難しい
カラーミーショップでは「WorldShoppingBIZ for カラーミーショップ」という月額5500円の有料アプリを利用しないと多言語対応できません。
もちろん、自分で頑張って商品ページやテンプレートを多言語化することは可能ですが、カラーミーショップではお問い合わせページや購入者の情報を入力するカートページなどは共通化されており、その部分をショップごとに自由に変更することはできません。
そのため、商品を英語や中国語の顧客に販売しようとしても、完全な多言語対応は難しいと思われます。
まとめ
この記事ではカラーミーショップのデメリットについて紹介してきました。
デメリットばかり書いていますが、それでも他のネットショップ制作サービスと比較したときに、本格的な通販サイトを作るならカラーミーショップは最高のツールになると思います。デメリットを知ったうえで、柔軟に対応していくのが良いでしょう。
なお、カラーミーショップでは機能の改善が随時行われているため、デメリットは記載時点の内容になります。
なお、通販サイトを作れるおすすめのサービスは、以下の記事で詳しく紹介しています。
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